September Drive

今回のアルバムで1番に仕上がった曲。


前作「cocoro」の発売が去年7月で、この曲を録音したのもその頃。
下北沢251監修のコンピに僕らの曲を収録して頂く話を頂いて、そのために録音したものです。
といっても1から曲を書いた訳ではなく、この曲の元が出来たのは19歳の頃。だから相当寝かせてたことになります。


当時よく遊んでた友達がギターを始めて「ライブがしたいが曲がないから作ってほしい」と言われて書きました。
その頃のアレンジはもっと速くてパンクっぽく、シンセは入っていませんでした。
当時16歳だった友人のことを考え、もっと若々しい感じの曲でした。


「cocoro」のデモ製作時。ああ、あんな曲あったなあと思い出し、そのアレンジをちょっとソフトにしてデモを作り提出しました。
「パンクっぽいイントロがイマイチ」という理由で「cocoro」には未収録に。
「cocoro」の製作が終わり、僕は何故か衝動的にシンセを買いました。そしてちょうどその頃にコンピの話が。
なにか既存の曲をエレクトロっぽくアレンジしてみようと思い立ち、ボツになっていたこの曲が実験台になった訳です。


様々な音色を試した結果、冒頭のピコピコはシンベになりました。あれはベースの音なんです。
シンベの音を6bitくらいのローファイな音にしてループさせてます。
ドラムが入る直前にフェードインしてくる音はシンセに聴こえるかと思いますがギターです。
原音ゼロ+リバースディレイになにかコーラスをかけてたと思います。


歌詞は16歳の頃に書いた「Drive」という曲のものを引用。
その頃の中2的表現は今となっては喜んで使ってます。


録音が終わり、リリースまでの時間でビデオを作ることになりました。
他のビデオに比べると地味であまり感想を聴かないPVですが、一番大掛かりだったかも。
サビの「海までドライブをしよう」に合わせて実際ドライブに行きました。青森まで。朝4時の朝焼けを目標に深夜出発。
日の出の金色の中で遊んでる絵を撮りたかったんです。
時間ギリギリで、かなり焦りました。健二は撮影に行ったのにカメラ忘れてくるし。津久井が同じカメラを持ってきてたので命拾いしました。
大体の絵が撮れたら僕は秋の海にダイブしましたよ。
フナムシに襲われて大変でした。
3人がはしゃぐ中、津久井はアンニュイモードでわれ関せずでした。繊細な男。
そんな遊んでるカットをプロジェクタで壁に映し、彩子に歌ってもらいました。
最終的には「彩子の夏の思い出」というテーマ。


「ekubo」収録にあたって、曲順にも影響した曲です。
春に出すアルバムに「セプテンバー」はなんか違和感がありました。
「8曲目に夏の歌を持ってきて9曲目に収録すれば綺麗かも」と(8曲目→8月/9曲目→9月)。
そんな曲です。
古い曲なんで客観的に聴けて好きな曲です。


祐二